ジェニー・ホルツァー
ジェニー・ホルツァーは1950年米国・オハイオ州生まれ。現在NY州在住。 70年代後半より自作のテキストを使用した、様々なメディアの作品を発表しています。その中でもLEDを使用した表現が代表的です。 使用されるテキストは、格言的で、時として暴力的で過激にも感じられ、多様な現代社会の状況を反映しているといえます。90年代に新たに書かれたテキストは、戦争や戦地での女性被害者達を題材とした詩的な内容で話題になりました。
1990年にはベネチアビエンナーレにて金獅子賞を受賞、国際的な評価を不動なものとしました。1994年には水戸芸術館にて日本初の個展が開催されており、日本でも著名なアーティストの一人です。
本展ではホルツァーの代表的な表現方法であるLEDを使用したインスタレーションと、モノクロームの写真作品を展示します。 インスタレーションは、84個もの小型のLEDサインがミニマルに配置され、それぞれ同じ内容のテキストが反復していきます。文字が空間に反響するかのように、暗闇の中を増幅していくイメージを醸しだし、言葉の表現だけでなく視覚的にも非常に迫力のあるプレゼンテーションとなります。
写真作品は、1996年から断続的に、各国の歴史的に意味のあるパブリックな場所で行われているXenonプロジェクターを使用したプロジェクト、「Xenon」シリーズの様子を記録したもの。テキストが次々に流れるように建物や海などに投影され、テキストのメッセージに加え普段とは違う演出を施すことによって、場所の持つ意味あいをさらに深めるパフォーマンスイベントです。写真はインパクトのあるプロジェクトの模様を伝えると同時に、作品としても完成度の高い見応えのある仕上がりとなっています。
常に精力的に活躍中のジェニー・ホルツァーの、近年の活動をコンパクトに総括して鑑賞することの出来る内容の展覧会です。是非ご覧ください。