岩崎智子展

岩崎智子は1969年千葉県生まれ。1999年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。非常に寡作ながら常に制作を続けてきた岩崎智子の近作をまとめて発表します。今までの作品発表は少ないものの、作品に触れた人々の心に静かに深く浸透し、新作の発表が心待ちにされている密やかな人気のある作家です。

油彩、版画の技術を駆使して最後に蜜蝋でコーティングするという独自の技法によって制作される岩崎智子の作品は、奥行きや透明感のある画面が特徴的で、イメージ自体が封じ込められているようにも見えます。繊細なタッチで描き出されるモチーフは文学から想を得ることが多いとのことですが、実態を明らかにしないその図像は観る者の想像力をかきたて、新たな物語を紡ぎ出しています。

先頃発行された筒井康隆の短編集「佇むひと」の表紙に新作を提供。本展では、その作品を含む、約10点が展示される予定です。

清々しく、しなやかな強靱さのある独特の岩崎智子の世界をぜひご堪能ください。

作家略歴：

1969 千葉県生まれ

1992 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業

［主な個展］

1999
ギャラリーなつか b.p、東京

2001
ギャラリーなつか、東京

2007
SCAI X SCAI、東京

［主なグループ展］

2002-03
「GIFT/Winter Show」スカイザバスハウス、東京

2003
ギャラリーなつか、東京