「目を凝らす耳を澄ます」
2014年4月19日(土)- 5月31日(土)
期間:2014年4月19日(土)− 5月31日(土)
開廊日時:12:00-6:00pm *日・月・祝日休廊
会場:SCAI THE BATHHOUSE
オープニングレセプション:2014年4月19日(土)4:00‒6:00pm
展示作品:
何翔宇:ドローイング《Everything We Create Is Not Ourselves》2014年、ハルーン・ミルザ:彫刻《Solar Powered LED Circuit Composition 2》2014年、大庭大介:絵画《LOG (The fall behind the tree)》2014年、土屋信子:新作彫刻・インスタレーション (タイトル未定)、2014年
を含む計8点を予定。
開廊日時:12:00-6:00pm *日・月・祝日休廊
会場:SCAI THE BATHHOUSE
オープニングレセプション:2014年4月19日(土)4:00‒6:00pm
展示作品:
何翔宇:ドローイング《Everything We Create Is Not Ourselves》2014年、ハルーン・ミルザ:彫刻《Solar Powered LED Circuit Composition 2》2014年、大庭大介:絵画《LOG (The fall behind the tree)》2014年、土屋信子:新作彫刻・インスタレーション (タイトル未定)、2014年
を含む計8点を予定。
音や触覚に色彩を見る共感覚のように、さまざまな状況からうけとる五感のつながりをテーマにした本展では、アジアに出自をもち国際的な活躍を続ける若手アーティスト4人の新作を展示いたします。
偏光パールのアクリル絵具を用いた大庭大介(1981年生まれ)の絵画「LOG」シリーズは、水墨画を思わせる具象的な構図をグリッド状に分割し、鑑賞者の視覚のなかで再び再構築される関係性の場を創出しています。鑑賞者がキャンバスの前を歩きまわるとパールの色面が表情を変え、作品のうちに作家が結晶化した時間が再び動き出すようです。新作となる出展作品は、制作リサーチとして訪れた那智勝浦の光景で、作家がこれまで関心を寄せてきた森林の静謐感や畏怖など五感を超えた場の体験を捉えています。
周波数の増幅によって光を音に変えるハルーン・ミルザ(1977年生まれ)は、古びたスピーカーや家具を用いて音と空間の不安定な緊張を生み出します。自動車産業の低迷にあえぐ80年代デトロイトのテクノ音楽を引用した《Detroit Reconfigured》(2012年)では、中流家庭のリビングルームを思わせる記憶の残影と残響を通して変化する時代を強調しています。使用済みのソーラーパネルをキャンバスにみたてた新作シリーズ(2014年)では、LEDの発光が環境の光に応じて明滅し、鑑賞者の影によってかき消されていきます。
話題性の高い大規模プロジェクトから自らの身体を用いたプライベートな作品群へと転換を見せる何翔宇(へ・シャンユ、1986生まれ)は、口内をまさぐる舌の触覚を色彩の広がりに変え、抽象的な数々のドローイングに発展させています《Everything We Create Is Not Our Selves》(2014年)。新たな作品展開を切りひらく《Tears》(2014年)では、こうした抽象性を一層おし進め、自分の身体から流れ出る感情の物質化でありながら、その形象をコントロールできない涙のしずくを水彩紙の上に落としています。
土屋信子は、詩的な精密さで独自の感性を織り込んだ新作彫刻を展示します。あたかも五感に分けられる以前の感覚を刺激するような展示作品は、身体器官によって分断された五感という区分そのものを問いかける批評性が込められているように見えます。素材間の緊張と不和は意図的に放置され、素材の質感にまでいきわたるユーモアは、自然に沸き起こる鑑賞者の想像力すべてを受け入れ、個々に特異な関係性を可能にしています。
創業25周年を記念した第二回目となる本展は、ギャラリーを擁する空間とそこに差し込む自然光の広がりを強調し、場の記憶を読み込んだ会場の構成を試みています。
偏光パールのアクリル絵具を用いた大庭大介(1981年生まれ)の絵画「LOG」シリーズは、水墨画を思わせる具象的な構図をグリッド状に分割し、鑑賞者の視覚のなかで再び再構築される関係性の場を創出しています。鑑賞者がキャンバスの前を歩きまわるとパールの色面が表情を変え、作品のうちに作家が結晶化した時間が再び動き出すようです。新作となる出展作品は、制作リサーチとして訪れた那智勝浦の光景で、作家がこれまで関心を寄せてきた森林の静謐感や畏怖など五感を超えた場の体験を捉えています。
周波数の増幅によって光を音に変えるハルーン・ミルザ(1977年生まれ)は、古びたスピーカーや家具を用いて音と空間の不安定な緊張を生み出します。自動車産業の低迷にあえぐ80年代デトロイトのテクノ音楽を引用した《Detroit Reconfigured》(2012年)では、中流家庭のリビングルームを思わせる記憶の残影と残響を通して変化する時代を強調しています。使用済みのソーラーパネルをキャンバスにみたてた新作シリーズ(2014年)では、LEDの発光が環境の光に応じて明滅し、鑑賞者の影によってかき消されていきます。
話題性の高い大規模プロジェクトから自らの身体を用いたプライベートな作品群へと転換を見せる何翔宇(へ・シャンユ、1986生まれ)は、口内をまさぐる舌の触覚を色彩の広がりに変え、抽象的な数々のドローイングに発展させています《Everything We Create Is Not Our Selves》(2014年)。新たな作品展開を切りひらく《Tears》(2014年)では、こうした抽象性を一層おし進め、自分の身体から流れ出る感情の物質化でありながら、その形象をコントロールできない涙のしずくを水彩紙の上に落としています。
土屋信子は、詩的な精密さで独自の感性を織り込んだ新作彫刻を展示します。あたかも五感に分けられる以前の感覚を刺激するような展示作品は、身体器官によって分断された五感という区分そのものを問いかける批評性が込められているように見えます。素材間の緊張と不和は意図的に放置され、素材の質感にまでいきわたるユーモアは、自然に沸き起こる鑑賞者の想像力すべてを受け入れ、個々に特異な関係性を可能にしています。
創業25周年を記念した第二回目となる本展は、ギャラリーを擁する空間とそこに差し込む自然光の広がりを強調し、場の記憶を読み込んだ会場の構成を試みています。