アピチャッポン・ウィーラセタクン:個展 "PRIMITIVE"
アピチャッポン・ウィーラセタクンの個展「PRIMITIVE」がリバプールとパリ、二カ所で開催されています。
新作「PRIMITIVE」は、60年代から80年代初頭にかけて、共産党員の叛乱を抑えようとタイの国軍が統治した場所、ナブアで制作された7つの映像作品から成るインスタレーションです。
「プリミティブ」プロジェクトは、メモリーとイデオロギーが途絶えてしまったナブアという、タイの小さな地を再びイメージ化するものだ。「プリミティブ」は、共産主義者と呼ばれた農民の子孫にあたり、帝国から解き放たれた、今、10代の男子をとらえた肖像である。
ナブアで撮ったビデオ作品は、どれも僕が監督した長編映画と同じで、光と記憶が描かれている。太陽や炎の自然な光もあれば、扉や窓から漏れる光、稲田を焼く野火もある。また、蛍光灯や回想シーンの粗い粒子みたいなLEDなど、人工的な光もある。さらに、平穏な風景を打ち破り、精霊を呼び覚ます、人工の稲妻も出る。
「プリミティブ」は輪廻と転生についての作品である。自然や我々が持つ破壊的な力、それは生まれ変わり、再生するために使うものだが、そんな破壊力を称える作品である。
アピチャッポン・ウィーラセタクン個展 「PRIMITIVE」
■リバプール
FACT (Foundation for Art and Creative Technology)
2009年9月23日〜11月29日
http://fact.co.uk/whatson/detail/?infoID=4197846597106420065
■パリ
Musee d'Art moderne de la Ville de Paris / ARC
2009年10月1日〜2010年1月3日
http://www.paris.fr/portail/Culture/Portal.lut?page_id=6450